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社長の税理士選び研究所

税理士選びで会社のキャッシュは変わる。小規模法人オーナーのための、失敗しない税理士選び・切り替えの情報を発信する研究所です。

地元の税理士より都市圏の税理士を選ぶべき5つの理由

「うちの税理士、なんとなく物足りないけど、地元の先生だから変えづらいんだよな……」

そう思いながら、もう何年も同じ税理士と付き合い続けている経営者の方、案外多いんじゃないでしょうか。私自身、20年以上にわたって中小企業の経営支援に携わってきた中で、そういったケースを何度も目にしてきました。

はじめまして。経営コンサルタントの三上 剛です。累計400社以上の中小企業の財務・経営改善をサポートしてきた経験を持ち、現在は税理士選びに関する情報発信にも力を入れています。

実は私自身も、かつて格安の地元税理士と契約して痛い目を見た経験があります。会計処理のミスが原因で、本来払わなくてよかった税金が発生してしまい、余計なコストを負担するはめになりました。その経験と、支援先企業で繰り返し見てきた現実から、私はいまこう確信しています。

「税理士は近所で選ぶ時代は、もう終わった」

今回は、私の現場経験と最新データをもとに、地元の税理士より都市圏の税理士を選ぶべき5つの理由をお伝えします。「近くの税理士でいいや」と漠然と思っていた方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。

まず押さえておきたい「地元税理士」の現実

結論からいえば、地元の税理士が必ずしも悪いわけではありません。誠実で実力のある先生も当然います。ただ、「近いから」「知り合いの紹介だから」という理由だけで選んでしまうと、知らないうちに損をしているケースが多い。これが現実です。

地方や地元エリアに限定して税理士を探す場合、最大の問題は選択肢の少なさです。都市部では多数の税理士が競い合っているのに対し、地方では選べる税理士の数が限られているため、比較検討がしにくい。

さらに、地方の税理士事務所はIT化が遅れているケースも少なくありません。クラウド会計ソフトに対応していなかったり、オンラインでの打ち合わせに慣れていなかったりすると、経営者側の業務効率にも直接影響してきます。

これらの背景を踏まえたうえで、都市圏の税理士を選ぶべき理由を見ていきましょう。

理由1:専門性の高さと実績の厚みが圧倒的に違う

都市圏には「業種・テーマの専門家」が揃っている

税理士といっても、得意分野はさまざまです。飲食業、建設業、IT企業、医療法人……業種ごとの会計処理や税務上の特性は大きく異なります。また、事業承継、資金調達、国際税務、スタートアップ支援など、特定のテーマに深く精通した税理士も存在します。

こうした「専門特化型」の税理士は、ほぼ都市圏に集中しています。東京・大阪・名古屋などの都市圏には競合が多く、生き残るために各事務所が得意分野を磨いているからです。

一方、地方の税理士は個人事業主から法人まで幅広く担当する「ジェネラリスト型」が多い傾向にあります。幅広く対応できる分、特定分野の深い専門性という点では都市圏の税理士に劣ることがあります。

案件数の多さが「引き出しの数」を生む

都市圏の税理士は、単純に扱う案件数が多い。多くのクライアントと向き合う中で、さまざまなケースへの対処法が蓄積されていきます。「こういうケースではこの手が使える」という引き出しの数は、経験値に比例します。

私が支援してきた企業の中にも、都市圏の税理士に変えた途端、それまで提案すらされなかった節税策や補助金の活用法を教えてもらえた、という経営者が何人もいます。顧問料を払っているのに、情報を引き出せていなかった——それは、税理士選びの問題でした。

理由2:IT対応力が高く、経理業務の生産性が上がる

クラウド会計への対応で、業務効率が劇的に変わる

2025年現在、中小企業の経理・会計業務において、freee会計やマネーフォワード クラウド会計といったクラウド会計ソフトは実質的な標準ツールになりつつあります。銀行口座やクレジットカードの明細を自動取込みし、仕訳を大幅に自動化できるため、経理の工数を大幅に削減できます。

都市圏の税理士は、こうしたクラウド会計ツールへの対応が進んでいます。税理士と経営者がリアルタイムで同じデータを共有できるため、月次の数字を素早く把握して経営判断に活かせる体制が整います。

問題は、地方の税理士事務所にはクラウド会計に対応していないところがまだ残っているということ。担当者が来るまで手書きの帳簿を待ち続ける……というのは、もはや時代遅れのやり方です。経理のIT化を進める上でも、税理士の対応力は重要な選定基準になります。

IT対応が進んだ税理士との契約で得られるメリット

  • 月次の財務状況がリアルタイムで確認できる
  • 領収書・通帳コピーなどの書類をデータ共有で完結できる
  • 記帳業務の工数が大幅に削減され、本業に集中できる
  • 決算前に手を打てるようになり、節税の機会を逃さない

特に年商3,000万〜1億円規模の会社にとっては、月次データを迅速に把握して手を打てるかどうかが、資金繰りや利益確保に直結します。ここでの「税理士との連携スピード」は、経営の質そのものに関わってきます。

理由3:オンライン対応の普及で「距離」はもはやデメリットではない

コロナ禍以降、オンライン顧問は”当たり前”になった

「遠くの税理士は、何かあったときに困るんじゃないか」——これは、かつてはもっともな懸念でした。しかし今は違います。

ZoomやGoogle Meetなどのビデオ会議ツールが普及し、対面と変わらない質で相談ができるようになりました。書類のやり取りもメールやクラウドストレージで即時対応できます。電子申告が標準化された現在、税理士が毎月自社を訪問する必要性は、かなり低下しています。

実際、クラウド会計を活用した完全オンライン顧問サービスは、月額1万円〜3万円程度の低コストで受けられるものも登場しています。一方、訪問型のサービスは月額5万〜10万円程度が相場であり、コスト差は明確です。

税務調査はどうなる?

「でも税務調査のときは来てもらわないといけないでしょ?」と聞かれることがあります。確かに、調査当日は税理士の立ち合いが必要です。ただ、オンライン顧問の税理士でも、調査当日だけ現地に来る対応は一般的に行われています。日常的な訪問がなくても、いざというときの対応は変わらない——この点はご安心いただいて大丈夫です。

また、税務調査は毎年発生するものではありません。数年に一度の対応のために、日常のサービスクオリティを妥協するのは、本末転倒といえます。

「地元の先生だから安心」という心理的な罠

地元の税理士には、「顔見知りだから頼みやすい」というメリットがあります。ただし、この親しみやすさが、逆にデメリットになることもあります。

プライベートで付き合いのある税理士に会社の財務内容をすべて見せることへの抵抗感。また、地域コミュニティの結びつきが強い場合、税理士との関係を切りたくても切れない、という状況に陥りやすい。こうした心理的な縛りが、税理士変更の障壁になっているケースを、私は何度も見てきました。

理由4:情報の新鮮さと提案力が段違い

税制は毎年変わる。最新情報をキャッチできているか?

税法は毎年改正されます。節税策も、使えるものと使えなくなるものが入れ替わっていきます。知っている人だけが得をして、知らない人が損をする——それが税務の世界の現実です。

都市圏の税理士、とくに大手法人や専門特化型の事務所では、税制改正への対応が早く、情報のアップデートが常に行われています。セミナーや勉強会も活発で、業界の最新動向が自然と入ってくる環境があります。

地方の小規模事務所では、情報収集の機会が相対的に少なく、最新の節税策や補助金情報が届くのが遅れることがあります。「あの補助金、申請できたのに知らなかった」という話を、私の支援先でも耳にしてきました。

補助金・助成金の活用提案ができるかどうか

補助金・助成金に積極的に取り組んでくれる税理士かどうかは、経営者にとって非常に重要な判断ポイントです。ものづくり補助金、IT導入補助金、小規模事業者持続化補助金……これらを活用できるかどうかで、数十万〜数百万円の資金調達機会が変わってきます。

ところが、補助金活用を積極的に提案してくれる税理士は、実はそれほど多くありません。都市圏の競争環境にある税理士事務所ほど、差別化のためにこうした付加価値サービスに力を入れる傾向があります。

以下の表に、都市圏税理士と地元税理士の提案力の差をまとめました。

比較項目都市圏の税理士地元の税理士
税制改正への対応スピード早いやや遅れることがある
補助金・助成金の情報提供積極的な事務所が多い受け身のことがある
節税策の提案頻度定期的に提案あり求めないと動きが少ない
専門特化エリアの対応業種・テーマ別の専門家がいるジェネラリスト型が多い
他士業との連携体制弁護士・社労士等との連携が充実限られることがある

理由5:競争環境が「質」と「価格競争力」を生む

競合が多いほど、サービスの質は上がる

都市圏では税理士の数が多く、クライアント獲得をめぐる競争が激しい。日本税理士会連合会のデータによれば、2024年度の税理士登録者数は8万1,696人と過去最多を記録しています。とくに都市部では競争が飽和に近い状態になっており、サービスの質と価格で差別化しなければ生き残れない環境があります。

この競争環境が、経営者にとっての追い風になります。選ばれるために努力する税理士が増えるということは、クライアント側のサービス水準が上がるということだからです。

一方、地方では税理士の数が少ないため、競争が起きにくい。「この地域の経営者はここに頼むしかない」という状況では、税理士のサービス改善へのインセンティブが低下しやすい側面があります。

料金体系の透明性

都市圏のオンライン対応税理士が増えた結果、顧問料の相場感も以前より明確になってきました。目安として、以下のような料金レンジが一般的です。

契約形態月額顧問料の目安
オンライン相談のみ(チャット・メール中心)1万〜3万円程度
月1回のオンラインミーティングあり2万〜5万円程度
月1回の訪問あり5万〜10万円程度
年1回の決算申告のみ(スポット)売上規模により変動

※決算申告料は月額顧問料の4〜6ヶ月分が相場です。

オンライン対応の税理士は、移動コストが発生しない分、サービス料金も抑えやすくなっています。「都市圏の税理士は高い」というイメージがありますが、オンライン顧問に絞れば、地元の訪問型税理士と同等かそれ以下のコストで契約できるケースも多いです。

ただし、「安さだけで選ぶ」のは禁物です。月額顧問料が安くても、年末調整や税務調査の立ち合いが別料金になっているケースもあります。見積もりの際には、月額顧問料に何が含まれているかを必ず確認してください。

地元の税理士を選ぶべきケースも、正直に伝えます

ここまで都市圏の税理士を推してきましたが、地元の税理士が適しているケースも確かにあります。

  • 地元の金融機関(地銀・信金)との関係を活かした融資を検討している
  • 地域独自の税制優遇や助成金を最大限に活用したい
  • 会社の財務状況を定期的に対面で細かく確認したい
  • 相続や不動産など、地元の土地勘が重要な案件がある

こうした場合は、地元のネットワークを持つ税理士に強みがあります。何でも「都市圏がいい」という話ではなく、自社の状況とニーズに合わせて判断することが大切です。

また、「都市圏だから良い」わけでも、「地元だから悪い」わけでもありません。重要なのは、税理士としての実力・専門性・提案力、そして料金体系の透明性です。

国税庁が公表している税理士制度の概要や、日本税理士会連合会の情報も参考にしながら、税理士選びの基準を整理しておくことをおすすめします。また、複数の税理士に見積もりを取れる比較サービスを活用するのも、客観的に判断するうえで有効な方法です。弥生の「税理士紹介ナビ」のようなサービスでは、業種や規模に合った税理士を紹介してもらえます。

都市圏の税理士に変えるときの注意点

最後に、実際に税理士を変える際の注意点もお伝えしておきます。

  • 変更のタイミングは決算後が基本。期中の変更は書類の引き継ぎが複雑になるため、できれば事業年度の終わりのタイミングを狙いましょう。
  • 複数の税理士に話を聞く。最低でも2〜3事務所に無料相談してみて、対応力・提案力・相性を見極めてください。
  • 見積もりの内訳を必ず確認する。月額顧問料・決算料・オプション費用が何かをチェックし、年間トータルで比較しましょう。
  • クラウド会計への対応可否を確認する。自社で使っているソフト(freee、マネーフォワードなど)に対応しているかを事前に確認することが重要です。
  • 過去の担当税理士への通知。税理士の変更を伝える際のマナーや書類の引き継ぎについても、事前に確認しておくとスムーズです。

まとめ

今回は、地元の税理士より都市圏の税理士を選ぶべき5つの理由をお伝えしました。改めて整理しておきます。

  • 専門性の高さと実績の厚みが違う——業種・テーマ別の専門家が都市圏に集中している
  • IT対応力が高く、経理業務の生産性が上がる——クラウド会計の活用でリアルタイムな財務把握が可能に
  • オンライン対応の普及で、距離はもはやデメリットではない——ビデオ会議・電子申告が標準化した今、遠方の税理士でも実用的
  • 情報の新鮮さと提案力が段違い——税制改正・補助金情報への対応スピードに差がある
  • 競争環境がサービスの質と価格競争力を生む——都市圏の競争環境が、クライアントへの恩恵につながっている

「顧問料はコストではなく投資」というのが、私の持論です。質の高い税理士に適切な報酬を払うことで、節税・資金調達・経営判断の精度が上がり、結果として会社に返ってくるものは大きい。

一方で、長年の付き合いや近さへの安心感から、税理士を変えることに踏み切れないでいる経営者も多いと思います。「変えるべきかどうか」を一人で抱え込まず、まずはセカンドオピニオン的に都市圏の税理士に無料相談してみるところから始めてみてはいかがでしょうか。

税理士選びで損をしないための情報を、これからも発信していきます。一緒に、賢い経営の選択をしていきましょう。

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