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社長の税理士選び研究所

税理士選びで会社のキャッシュは変わる。小規模法人オーナーのための、失敗しない税理士選び・切り替えの情報を発信する研究所です。

オンライン税理士は本当に大丈夫?メリット・デメリットを正直に解説

「税理士って、近所の先生に頼むしかないんですかね」

こういう相談を、経営者の方からよく受けます。確かに一昔前はそうでした。でも今は違います。

私は三上剛と申します。中小企業の経営改善・財務支援を20年以上行い、累計400社超の経営者を支援してきたコンサルタントです。その中で「税理士の選択が、会社のキャッシュフローを根本から変えることがある」という現実を、何度も目の当たりにしてきました。

オンライン税理士の普及が加速しています。クラウド会計ソフトの浸透とテレワークの定着が重なり、今や全国の経営者が「会ったことのない税理士」と顧問契約を結ぶケースが当たり前になってきました。

では、オンライン税理士は本当に大丈夫なのか。コスト面だけで選んで後悔しないか。どんな人に向いていて、どんな人には向かないのか。

実は私自身、過去に「格安税理士」との契約で痛い目を見た経験があります。会計処理のミスで余計なコストが発生し、後処理に半年かかりました。その経験があるからこそ、フラットな目線で正直にお伝えできることがあります。

この記事では、オンライン税理士のメリット・デメリットを包み隠さず解説し、失敗しない選び方まで具体的にお伝えします。

オンライン税理士とは?従来の税理士との違い

まず基本から押さえておきましょう。

オンライン税理士とは、対面での訪問を原則とせず、ZoomやChatwork・Slack等のオンラインツールを通じて税務サービスを提供する税理士のことです。書類のやりとりはメールやクラウドストレージで行い、freeeやマネーフォワードクラウドといったクラウド会計ソフトと連携するのが一般的です。

従来型との違いを整理する

比較項目従来型(訪問対応)オンライン税理士
面談方法事務所または訪問Zoom・チャット等
書類のやりとり郵送・持参メール・クラウド共有
対応エリア近隣が中心全国どこでも
顧問料の目安月3万〜10万円月1万〜3万円前後
特徴対面で細かいニュアンスを共有しやすいコスト・時間の効率化が図りやすい

注意したいのは、「オンライン税理士」といっても一律ではない点です。「基本オンライン対応だが、必要に応じて訪問もする」タイプと、「完全オンラインのみ」のタイプが混在しています。後述しますが、この違いが税務調査時の対応に大きく影響します。

オンライン税理士の4つのメリット

メリット①:顧問料が抑えられる

最も分かりやすいメリットが、コストです。

従来型の訪問税理士は、移動時間・交通費・対面対応のための人件費がコストに乗ります。一方オンライン税理士は、事務所の運営費を削減できる分、顧問料を低く抑えられる傾向があります。

各種データをもとにした相場感は以下のとおりです。

個人事業主の場合

  • オンライン対応(訪問なし):月額1万〜2万円程度
  • 訪問あり(3ヶ月に1回):月額2万〜3万円程度
  • 毎月訪問:月額3万〜5万円程度

法人の場合(年商5,000万円未満)

  • オンライン対応(訪問なし・半年1回程度):月額2万〜3万円程度
  • 月1回訪問:月額3万〜5万円程度

これに加え、決算申告料が月額顧問料の4〜6ヶ月分程度かかるのが一般的です。オンライン対応に切り替えるだけで、年間10〜20万円以上のコスト差が生まれるケースもあります。

ただし、ここで私から一言。「安さだけで選ぶ」のは危険です。私が現場で見てきた中で、格安税理士との契約で失敗する経営者のパターンはほぼ共通しています。節税提案がない、決算書の説明がない、連絡が遅い——こういった「質の問題」が、実は目に見えないコストになるのです。

メリット②:地域を問わず優秀な税理士に依頼できる

「近くに良い税理士がいない」という地方の経営者の方、あるいは「業種に詳しい専門家を探している」という方にとって、オンライン税理士は大きなメリットがあります。

物理的な距離がなくなることで、自分のビジネスに近い分野(IT、EC、飲食、建設など)に特化した税理士を全国から探せるようになりました。業種に詳しい税理士と組むことで、業界特有の節税策や経費処理の知識が活かされます。

メリット③:時間・手間の大幅な削減

従来は「月1回の訪問のために半日つぶれる」という経営者も珍しくありませんでした。打ち合わせ場所の準備、移動、待ち時間——そうした諸々のコストがゼロになります。

領収書の持参も不要になり、クラウド会計ソフトへの入力データをリアルタイムで税理士と共有できます。「今月の試算表を今すぐ確認してほしい」「来週の融資面談前に数字を整理したい」といった急ぎの相談にも、チャットベースで即応できる体制が整いやすいです。

メリット④:リアルタイムで財務データを共有できる

クラウド会計ソフト(freee・マネーフォワードクラウド・弥生会計オンライン等)と連携したオンライン税理士の場合、会計データをリアルタイムで共有しながら税務処理が進みます。

「どのくらい利益が出ているか」「このまま進むと法人税はいくらになるか」——こうした数字を月次でリアルタイムに把握できることは、経営判断のスピードを上げる上でも大きな武器になります。

オンライン税理士の4つのデメリット(正直に解説します)

メリットだけ並べるのは私のスタイルではありません。デメリットについても正直にお伝えします。

デメリット①:微妙なニュアンスが伝わりにくい

対面でのやりとりと比べて、表情・トーン・紙の資料を見ながらの細かい確認——こういった「対面ならではの情報交換」がオンラインでは難しくなります。

特にビジネスモデルや取引の経緯を一から説明する初期段階では、オンラインのみでは「なんとなくかみ合っていない感」が残ることがあります。最初の契約時や、会社の状況が大きく変わったタイミングでの打ち合わせは、対面または丁寧なZoom面談が欠かせません。

デメリット②:機密情報のセキュリティリスクへの注意が必要

売上・経費・給与といった企業の機密情報を、クラウド経由でやりとりすることになります。信頼できる税理士事務所であれば適切なセキュリティ対策が施されているはずですが、事前の確認は必須です。

確認すべき点は後述しますが、「どのクラウドツールを使っているか」「データ管理のポリシーはどうなっているか」は必ず聞くべき質問です。

デメリット③:複雑な相談は対面の方が解決が早い

会社の組織再編、事業承継、複雑なM&Aに絡む税務処理——こういった高度でデリケートな案件は、資料を並べながら複数回の対面協議が必要になるケースがほとんどです。「オンラインのみでは限界がある」と素直に言える税理士の方が、むしろ信頼できます。

デメリット④:税務調査のときに困る可能性がある

これが最も重要なデメリットです。ぜひ覚えておいてください。

税務調査(税務署が帳簿や申告内容を確認しに来る調査)が入った場合、税理士は原則として調査の現場に立ち会います。「完全オンラインのみ」の税理士の場合、税務調査当日の立ち会いに難が生じることがあります。

税務調査当日は、調査官とのコミュニケーション、帳簿確認、場合によっては交渉が必要になります。この場面で経験豊富な税理士が同席するかどうかで、結果が大きく変わることがあります。

契約前に「税務調査が入ったときはどう対応してくれるか」を必ず確認しておきましょう。「税務調査は別途費用が発生する」「当日の立ち会いは対応しない」といった回答が来るようであれば、要注意です。

「オンライン税理士に向いているケース」と「向いていないケース」

向いているケース

  • クラウド会計ソフト(freee・マネーフォワード等)をすでに使っているか、導入を検討している
  • 年商規模が小さく(個人事業主〜年商5,000万円程度の法人)、税務処理が比較的シンプル
  • 対面でのやりとりよりも、チャットやメールでのコミュニケーションが得意
  • 地方在住で、近隣に専門性の高い税理士がいない
  • 顧問料のコスト削減を優先したい

向いていないケース

  • 事業承継・M&A・不動産など、複雑な税務が絡む局面が多い
  • 経営者自身がITツールに不慣れで、クラウド会計の操作に抵抗がある
  • 「資金調達の際に税理士に同席してほしい」など、対外的な場面での同行が必要なことが多い
  • 月次で数字を見ながら緻密な経営判断をしたい(この場合は訪問型との組み合わせが◎)

失敗しないオンライン税理士の選び方

チェックポイント①:クラウド会計ソフトへの対応力

freeeには「認定アドバイザー制度」、マネーフォワードクラウドには「パートナー制度」があり、それぞれのソフトに精通した税理士が認定・登録されています。使用中または導入予定のソフトに対応した税理士を選ぶことで、導入サポートや操作指導も含めた支援が受けられます。

認定を受けているかどうかは一つの目安ですが、「何社くらい導入実績がありますか」と具体的に聞いてみることをお勧めします。認定だけあって実績が薄い、というケースも存在するからです。

なお、freeeの税理士検索サービス(advisors.freee.co.jp)やマネーフォワードの税理士紹介サービスを活用すると、認定済みの税理士を効率よく探せます。

チェックポイント②:月額顧問料の「中身」を必ず確認する

「月額〇万円」という数字だけを見て契約すると、後から「え、これも別料金なんですか」という事態が起きます。確認すべき内容は以下のとおりです。

  • 月額顧問料に含まれるサービスの範囲(税務相談の回数・記帳チェック等)
  • 記帳代行を依頼する場合の追加費用
  • 決算申告料の金額(月額顧問料の4〜6ヶ月分が一般的)
  • 税務調査が入った場合の対応内容と費用
  • 売上が増加した場合の顧問料の変動ルール

特に「税務調査対応」の費用と内容は、最初の面談で必ず確認してください。

チェックポイント③:レスポンスの速さを事前に確認する

オンライン税理士の場合、コミュニケーションがチャットやメール中心になります。そのため「連絡してからどのくらいで返信が来るか」は非常に重要です。

初回の無料相談を申し込んだときのレスポンス速度が、一つの目安になります。問い合わせから2〜3日以内に丁寧な返信が来る税理士なら、実際の顧問関係でも安心感があります。

チェックポイント④:自分の業種・規模の支援実績を確認する

税理士にも得意分野があります。IT企業に強い、飲食業に詳しい、製造業の原価計算が得意——こうした専門性は、顧問の質に直結します。

「同じような業種・規模の会社の支援実績はありますか」と具体的に聞いてみてください。さらに、「その会社でどんな節税や改善を実現しましたか」まで踏み込めると、税理士の実力がより見えてきます。

チェックポイント⑤:最初の面談で「相性」を大切に

どんなに実績があっても、話しにくい税理士との関係は長続きしません。「この人に正直に話せそうだ」という直感は、かなり重要な判断材料です。

無料相談で「高圧的な態度」「質問に対する答えが曖昧」「費用の説明が不透明」といった印象を受けたら、それは重要なサインです。

オンライン税理士に関するよくある質問

Q. 税務調査が入ったとき、オンライン税理士でも立ち会ってもらえる?

A. 税務調査の立ち会いは、税理士の重要な業務の一つです。「完全オンライン」を売りにしている税理士事務所でも、税務調査当日は現地への出張対応を行う事務所が多くあります。ただし出張費用が別途発生するケースもあるので、契約前に確認が必要です。

Q. 格安オンライン税理士は本当に大丈夫?

A. 「格安=悪い税理士」ではありませんが、「なぜ格安にできるのか」の理由を確認することが重要です。理由が明確(ペーパーレス化の徹底・業務効率化によるコスト削減)であれば問題ありません。一方で、「対応範囲を絞っている」「担当者が頻繁に変わる」「提案がほぼない」といった内実が格安の理由である場合は、見た目の安さが後からコスト増につながるリスクがあります。

Q. クラウド会計ソフトを使っていなくても依頼できる?

A. 依頼は可能ですが、オンライン税理士のメリットを最大限に活かすには、クラウド会計ソフトの導入が前提になります。多くのオンライン税理士事務所が、freeeやマネーフォワードクラウドの導入サポートをセットで提供しています。「ソフトの使い方が不安」という場合も、丁寧にサポートしてもらえる事務所を選べば問題ありません。

まとめ

オンライン税理士は「大丈夫か?」という問いへの答えは、「選び方次第で、非常に有効な選択肢になる」です。

改めてポイントを整理します。

  • オンライン税理士は、コスト削減・全国対応・リアルタイムなデータ共有の面で優れている
  • 一方で、税務調査の対応・複雑な案件・コミュニケーションの質には注意が必要
  • 「顧問料の安さ」だけを基準にすると、後から高くつく可能性がある
  • クラウド会計ソフトへの対応力・業種の実績・税務調査の対応方針・料金の透明性を確認する
  • 最終的には「この人に正直に話せるか」という相性を大切にする

税理士は、選んで終わりではありません。毎月費用を払い続ける「継続的なパートナー」です。だからこそ、最初の選択を慎重に。

「オンラインかどうか」よりも「良い税理士かどうか」が本質です。オンラインという手段を通じて、全国の優秀な税理士に出会いやすくなった今、その選択の幅をうまく活用してください。

皆さんの会社にとって、本当に頼れる税理士との関係が築けることを願っています。

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